2009年07月13日

「われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか」 ポール・ゴーギャン

われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか ポール・ゴーギャン

ウジェーヌ・アンリ・ポール・ゴーギャン(1848年〜 1903年)は、ポスト印象派を代表するフランスの画家です。

1897年〜1898年にかけて描かれた『われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか』はゴーギャンが遺書として描いた画家の集大成とも言える作品です。


「これまでに描いたすべてのものよりすぐれているばかりか、今後これよりすぐれているものも、これと同様のものも決して描くことはできまいと信じている。」

この作品についてゴーギャンは上記のように語りました。この言葉にあるように、この作品の中にはゴーギャンの人生観が一つの物語のように展開されています。


『われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか』という題名を表すかのように、この絵の画面右には「産まれたばかりの赤子」、画面左には「死を前にした老婆」と人間の一生が表現されています。

また生涯を賭けた大作に相応しく、ゴーギャンが頻繁に取り上げた「禁断の果実を取るエヴァ」や「月の神ヒナ」、「水浴する女性たち」といったテーマも描かれいます。


この作品を描いた時、ゴーギャンはこの絵を最愛の娘アリーヌの死という絶望の中にいました。

この作品からはゴーギャンが「人の一生」を苦悩と悲嘆に満ちた絶望的なものとして捉え、深い諦観の中に浸っている様子が窺えます。

そしてこの絵の完成後、全てを成し終えたゴーギャンは砒素を呷り自殺を謀ることになるのです。(未遂に終わる)

ゴーギャン (ニューベーシック) (タッシェン・ニューベーシックアートシリーズ)
「ゴーギャン (ニューベーシック) (タッシェン・ニューベーシックアートシリーズ)」
 [単行本(ソフトカバー)]
 著者:インゴ・F・ヴァルター
 出版:タッシェン
 発売日:2001-09-12

posted by 裸の人 at 00:58 | Comment(0) | ポール・ゴーギャン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月17日

「かぐわしき大地」 ポール・ゴーギャン

かぐわしき大地 ポール・ゴーギャン

ウジェーヌ・アンリ・ポール・ゴーギャン(1848年〜 1903年)は、ポスト印象派を代表するフランスの画家。

1892年に描かれた「かぐわしき大地」はゴーギャンのタヒチ時代を代表する作品です。

この作品はタヒチを舞台にしてエデンの園のイヴを描いた作品として知られています。

タヒチには蛇がいないため、イヴを唆す役割は怪鳥(キマイラ)が担いました。またイヴが口にする禁断の果実も不思議な形状をした花に取って代わられています。


この作品について美術評論家ドラローシュは以下のように述べました。

「幻想的な果樹園。その誘惑的な植物群がエデンの園のイヴの欲情をそそる。彼女の腕がおそるおそる伸びて悪の花を摘もうとし、いっぽう怪鳥(キマイラ)の赤い翼がはためいて、彼女のこめかみをかすめ打つ」。


ゴーギャンはその画家人生の中で頻繁にイヴを題材として取り上げました。

ゴーギャンはイヴについて以下のように語ります。

「新しいものを作るためには、源泉に、人類の幼年期にまで遡らなければなりません。
私が選んだイヴは、ほとんど動物です。ですから、たとえ裸でいても、純潔なのです。」

この「かぐわしき大地」のモデルとなったのは、まだ14歳だったタヒチの少女テハマナでした。

ゴーギャンは原始の大地に生きる穢れなきテハマナの中に、自らが思い描くイヴを重ね合わせたのではないでしょうか。

ゴーギャン (ニューベーシック) (タッシェン・ニューベーシックアートシリーズ)
「ゴーギャン (ニューベーシック) (タッシェン・ニューベーシックアートシリーズ)」
 [単行本(ソフトカバー)]
 著者:インゴ・F・ヴァルター
 出版:タッシェン
 発売日:2001-09-12
ゴーギャン―私の中の野性 (知の再発見双書)
「ゴーギャン―私の中の野性 (知の再発見双書)」
 [単行本]
 著者:フランソワーズ カシャン
 出版:創元社
 発売日:1992-03
ノアノア (ちくま学芸文庫)
「ノアノア (ちくま学芸文庫)」
 [文庫]
 著者:ポール ゴーギャン
 出版:筑摩書房
 発売日:1999-10

posted by 裸の人 at 00:24 | Comment(0) | ポール・ゴーギャン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月21日

「純潔の喪失」 ポール・ゴーギャン

純潔の喪失 ポール・ゴーギャン

ウジェーヌ・アンリ・ポール・ゴーギャン(1848年〜 1903年)は、ポスト印象派を代表するフランスの画家。

「純潔の喪失」は1890-1891年に描かれたタヒチ出発前の作品です。

この絵の中央には、生死の分からぬ1人の女性が全裸のまま大地に横たわっています。

女性の左手には「邪まなるものの象徴」である狐が抱かれ、右手には「純潔の喪失」を表すシクラメンの花が握られています。

血と見紛うほどに赤い大地の上を、婚礼とも葬式ともつかぬ不気味な隊列が闊歩しています。

この絵にはムンクの絵を思わせるような異様なほどの暗澹と陰鬱が溢れています。

ゴーギャンは処女喪失を「大人への過程」ではなく「純潔な少女の死」として忌むべきものとして捉えていたのでしょうか。


この絵のモデルとなった20歳の針子ジュリエット・ユエは、ゴーギャンと愛人関係にあり、既にこの時ゴーギャンの子供を身篭っていました。

そしてゴーギャンはわずか1年後に少女と赤子を見捨て、タヒチへと旅立つことになるのです。

ゴーギャン (ニューベーシック) (タッシェン・ニューベーシックアートシリーズ)
「ゴーギャン (ニューベーシック) (タッシェン・ニューベーシックアートシリーズ)」
 [単行本(ソフトカバー)]
 著者:インゴ・F・ヴァルター
 出版:タッシェン
 発売日:2001-09-12
ゴーギャン―私の中の野性 (知の再発見双書)
「ゴーギャン―私の中の野性 (知の再発見双書)」
 [単行本]
 著者:フランソワーズ カシャン
 出版:創元社
 発売日:1992-03
ノアノア (ちくま学芸文庫)
「ノアノア (ちくま学芸文庫)」
 [文庫]
 著者:ポール ゴーギャン
 出版:筑摩書房
 発売日:1999-10
posted by 裸の人 at 00:31 | Comment(0) | ポール・ゴーギャン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする