2009年05月11日

「思春期」 エドヴァルト・ムンク

思春期 エドヴァルト・ムンク


ノルウェーの画家エドヴァール・ムンクは生涯にわたり人間存在に関する作品を描いてきました。その結晶が「生命のフリーズ」シリーズになります。

「生命のフリーズ」は「愛の目覚め」・「愛の開花と死」・「生の不安」・「死」の4つの主題に分類されますが、この『思春期』は「愛の目覚め」に分類される作品となります。


制作途中の様子を友人のアドルフ・パウルはこのように記しています。

「彼女は聖者のようには見えない。だがその様子には何処か無垢で、内気な、恥ずかしげなところがあった。・・・・・このような特性がムンクに彼女の絵を描かせたのだ」

「春の陽のまばゆい光を浴びて、自らの影が不吉に脅かすように後ろに立っている彼女の坐像を、彼は能うかぎりの熱心さで描き、その画面に...彼は「思春期」とよんだ...なにか不安なもの、一切を捉えるものを深く迫真的に創り出した」


作品の中、裸体を曝した少女は画家の鋭い眼差しにやや緊張しているようです。

幼く未熟な体躯は儚く、不安定に揺らいでいます。

画面の右上に描かれた巨大な影は、少女を待ち受ける不安な運命を表しているのでしょうか。

少女はようやく愛に目覚めたところにも拘わらず、死に侵され始めているのです。

エドヴァール・ムンク (タッシェン・ニュー・ベーシック・アート・シリーズ)
「エドヴァール・ムンク (タッシェン・ニュー・ベーシック・アート・シリーズ)」
 [単行本]
 著者:ウルリッヒ ビショッフ
 出版:タッシェンジャパン
 発売日:2002-04
エドヴァルト・ムンク―「自作を語る画文集」生のフリーズ
「エドヴァルト・ムンク―「自作を語る画文集」生のフリーズ」
 [単行本]
 著者:エドヴァルト ムンク
 出版:八坂書房
 発売日:2009-10

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2009年05月13日

「マドンナ」 エドヴァルト・ムンク

マドンナ エドヴァルト・ムンク


マドンナは、ノルウェーの表現主義画家エドヴァルド・ムンクによって1894年から1895年にかけて描かれました。

「マドンナ」は英語で「聖母マリア」を意味します。

聖母マリアを描いた絵画はマリアがキリストを抱いている構図が多いのですが、ムンクの「マドンナ」ではキリストはまだお腹のなかにおり、マリアだけにスポットが当てられています。


この絵に関してムンクは以下のように語っています。


「世界がその歩みを止めるときのあの休息

地球上のあらゆる美がお前の顔に集まる

おまえの唇はさながら苦しみつつ実を結ぶ果物のような紅の色だ

死体の微笑み

月光がその顔をよぎる

今や「死」と「生」は手を取り合う

数千世代に及ぶ死者をこれから生まれてくる数千世代に繋ぐ鎖が今結ばれる」


ムンクはマドンナを神性を有する聖母としてではなく、生命を生み出す一女性として描いたように思います。


ちなみにこの絵は、2004年にムンクの最も有名な作品「叫び」と共に強盗によって盗まれましたが、2年後にオスロ警察により奪回されました。その際に2.5cmの穴が空いてしまっていたようですが、今は完全に修復されているようです。

エドヴァール・ムンク (タッシェン・ニュー・ベーシック・アート・シリーズ)
「エドヴァール・ムンク (タッシェン・ニュー・ベーシック・アート・シリーズ)」
 [単行本]
 著者:ウルリッヒ ビショッフ
 出版:タッシェンジャパン
 発売日:2002-04
エドヴァルト・ムンク―「自作を語る画文集」生のフリーズ
「エドヴァルト・ムンク―「自作を語る画文集」生のフリーズ」
 [単行本]
 著者:エドヴァルト ムンク
 出版:八坂書房
 発売日:2009-10

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