2009年04月22日

「ユディト」 グスタフ・クリムト

ユディト グスタフ・クリムト

グスタフ・クリムト(Gustav Klimt, 1862年7月14日 - 1918年2月6日)はオーストリアの画家。象徴主義を掲げたウィーン分離派の代表的な画家になります。

「ユディト」はそのクリムトの1901年の作品。

ユディトは旧約聖書外典の1つである<ユディト記>に登場するユダヤ人女性です。

ユディトはユダヤの町ベトリアを侵略しようとしたホロフェルネスの首を酒宴に紛れて切り落とし、町の人々を守りました。

旧約聖書では信仰篤き、清廉の寡婦として描かれています。


しかしクリムトの描く「ユディト」にはそのような敬虔さは感じることはできません。

絢爛な装飾に恍惚とし、自らの美しさに陶酔する様は背徳の異端者のよう。

彼女からは噎せ返るほどの色気と妖艶な官能が滲み出ています。


クリムトが何故このようなユディトを描いたのか。

そこには画家の独特の美意識を見ることができるように思います。

グスタフ・クリムト (ニュー・ベーシック・アート・シリーズ) (タッシェン・ニュー・ベーシック・アート・シリーズ)
「グスタフ・クリムト (ニュー・ベーシック・アート・シリーズ)」
 [単行本(ソフトカバー)]
 著者:ジル ネレー
 出版:タッシェンジャパン
 発売日:2000-11-01
グスタフ・クリムト―女たちを描いた画家 (岩波アート・ライブラリー)
「グスタフ・クリムト―女たちを描いた画家 (岩波アート・ライブラリー)」
 [大型本]
 著者:ズザンナ パルチュ
 出版:岩波書店
 発売日:2009-09-18
グスタフ・クリムト―素描と絵画
「グスタフ・クリムト―素描と絵画」
 [大型本]
 著者:クリスティアン・M. ネベハイ
 出版:岩崎芸術社
 発売日:1999-01
posted by 裸の人 at 00:17 | Comment(0) | グスタフ・クリムト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月11日

「ダナエ」 グスタフ・クリムト

ダナエ グスタフ・クリムト


グスタフ・クリムト(Gustav Klimt, 1862年7月14日 - 1918年2月6日)はオーストリアの画家。象徴主義を掲げたウィーン分離派の代表的な画家になります。

「ダナエ」はそのクリムトの1907-08年の作品。

ダナエはギリシア神話に登場するアルゴスの王女です。

ダナエはその父アクリシオスによって青銅の扉がついた塔に幽閉されておりました。

アクリシオスは「お前に男の子は授からない。それどころか、お前は孫に殺されるだろう。」という信託を恐れ、ダナエが男と接触しないようにしたのです。

しかし最高神ゼウスがダナエに一目惚れします。ゼウスは黄金の雨に姿を変え、屋根の隙間から進入し、彼女と交わったのでした。

そうして生まれたベルセウスはやがて意図せずアクリシオスを殺してしまい、信託は果たされることになります。


このクリムトの「ダナエ」ではゼウスが黄金の雨となってダナエと交わる場面が描かれています。

ダナエは快楽に身を委ね、その表情は恍惚と紅潮していますが、その様子は何処となく刹那的。。

ギリシア神話の1シーンを頽廃的で爛熟した世界として描いたところにクリムトの世界観を見るように思います。

グスタフ・クリムト (ニュー・ベーシック・アート・シリーズ) (タッシェン・ニュー・ベーシック・アート・シリーズ)
「グスタフ・クリムト (ニュー・ベーシック・アート・シリーズ)」
 [単行本(ソフトカバー)]
 著者:ジル ネレー
 出版:タッシェンジャパン
 発売日:2000-11-01
グスタフ・クリムト―女たちを描いた画家 (岩波アート・ライブラリー)
「グスタフ・クリムト―女たちを描いた画家 (岩波アート・ライブラリー)」
 [大型本]
 著者:ズザンナ パルチュ
 出版:岩波書店
 発売日:2009-09-18
グスタフ・クリムト―素描と絵画
「グスタフ・クリムト―素描と絵画」
 [大型本]
 著者:クリスティアン・M. ネベハイ
 出版:岩崎芸術社
 発売日:1999-01

posted by 裸の人 at 23:22 | Comment(0) | グスタフ・クリムト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月27日

「ヌーダ・ヴェリタス」 グスタフ・クリムト

ヌーダ・ヴェリタス グスタフ・クリムト


グスタフ・クリムト(Gustav Klimt, 1862年7月14日 - 1918年2月6日)は黄金色を多用した豪華で装飾的な画風で19世紀末のウィーンを席巻したオーストリアの画家。

1897年、クリムトは象徴主義を掲げたウィーン分離派の初代総統に就任します。

そしてその2年後となる1899年の分離派展で公開されたのがこの「ヌーダ・ヴェリタス」(nuda veritas)。直訳すると「裸の真実」という意味になります。

絵の上部に銘文として掲げられているのが「おまえの行動と作品が万人に愛されることがかなわないのなら、少数の人間を満足させよ。多くの人間に愛されるものはろくでもないものだ」というシラーの言葉。

エジプトの女神「イシス」がモデルと思われる裸の女性は、真理を照らす鏡(水晶)を持ちながら、挑発的な表情で見るものを強く見据えます。

この絵は旧来の古いアカデミズムを否定する分離派としての姿勢を強硬に示した決意表明のようなものなのでしょう。

ただこの絵はそういった歴史的背景を無視しても素晴らしい名作と言えるのではないでしょうか。

素足に絡みつく大罪と嫉妬の象徴とされる蛇や、精子を思わす白い蒲公英。裸体の上背景に描かれた幾何学的な模様。そして下背景に描かれた明るくも調和していない形而上学的な模様。

こういった様々な要素が相俟って、この「ヌーダ・ヴェリタス」には何とも言えない神秘が流れているように思うのです。

グスタフ・クリムト (ニュー・ベーシック・アート・シリーズ) (タッシェン・ニュー・ベーシック・アート・シリーズ)
「グスタフ・クリムト (ニュー・ベーシック・アート・シリーズ)」
 [単行本(ソフトカバー)]
 著者:ジル ネレー
 出版:タッシェンジャパン
 発売日:2000-11-01
グスタフ・クリムト―女たちを描いた画家 (岩波アート・ライブラリー)
「グスタフ・クリムト―女たちを描いた画家 (岩波アート・ライブラリー)」
 [大型本]
 著者:ズザンナ パルチュ
 出版:岩波書店
 発売日:2009-09-18
グスタフ・クリムト―素描と絵画
「グスタフ・クリムト―素描と絵画」
 [大型本]
 著者:クリスティアン・M. ネベハイ
 出版:岩崎芸術社
 発売日:1999-01
posted by 裸の人 at 23:52 | Comment(0) | グスタフ・クリムト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月29日

「希望I」 グスタフ・クリムト

希望 I  グスタフ・クリムト

グスタフ・クリムト(Gustav Klimt, 1862年7月14日 - 1918年2月6日)は黄金色を多用した豪華で装飾的な画風で19世紀末のウィーンを席巻したオーストリアの画家。

「希望 I 」は1903年の作品。

制作中にクリムトの二番目の息子オットーが突然亡くなったことが、この絵の構想に大きく影響しました。

お腹を膨らました妊婦が裸体を曝していますが、その背後には、死者や骸骨の影が犇き、精子とおぼしき黒き蛇のような化物が跋扈します。生命のすぐ裏側には「死」や「病」、「絶望」、「狂気」が潜んでいるのです。

しかし、この絵はあくまで「希望」を主題にして描かれました。

クリムトは説明します。「彼女も、そして彼女が見るものも全てが醜悪である。しかし彼女の内部(腹部)には、輝くように美しいものが、そう、≪希望≫が育っているのである。彼女はそれを訴えているのだ。」

グスタフ・クリムト (ニュー・ベーシック・アート・シリーズ) (タッシェン・ニュー・ベーシック・アート・シリーズ)
「グスタフ・クリムト (ニュー・ベーシック・アート・シリーズ)」
 [単行本(ソフトカバー)]
 著者:ジル ネレー
 出版:タッシェンジャパン
 発売日:2000-11-01
グスタフ・クリムト―女たちを描いた画家 (岩波アート・ライブラリー)
「グスタフ・クリムト―女たちを描いた画家 (岩波アート・ライブラリー)」
 [大型本]
 著者:ズザンナ パルチュ
 出版:岩波書店
 発売日:2009-09-18
グスタフ・クリムト―素描と絵画
「グスタフ・クリムト―素描と絵画」
 [大型本]
 著者:クリスティアン・M. ネベハイ
 出版:岩崎芸術社
 発売日:1999-01
posted by 裸の人 at 00:35 | Comment(0) | グスタフ・クリムト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月03日

「希望U」 グスタフ・クリムト

希望U グスタフ・クリムト

グスタフ・クリムト(Gustav Klimt, 1862年7月14日 - 1918年2月6日)は黄金色を多用した豪華で装飾的な画風で19世紀末のウィーンを席巻したオーストリアの画家です。

「希望U」は1907〜1908年の作品。「希望T」が描かれてから4年の歳月が流れています。

妊婦は乳房をはだけてはいるものの、豪奢な衣装に身を包み、膨らんだおなかをいとおしげに優しく見つめています。

そして画面の下には祈りを捧げる乙女たちの姿。

「希望T」では画面中を跋扈していた「死」の表現も、お腹の脇に小さく描かれた骸骨のみにとどまっています。

背景は静謐を湛えた黄金色。

「希望U」には「希望T」よりも遥かに穏やかな音楽が流れているように感じます。

グスタフ・クリムト (ニュー・ベーシック・アート・シリーズ) (タッシェン・ニュー・ベーシック・アート・シリーズ)
「グスタフ・クリムト (ニュー・ベーシック・アート・シリーズ)」
 [単行本(ソフトカバー)]
 著者:ジル ネレー
 出版:タッシェンジャパン
 発売日:2000-11-01
グスタフ・クリムト―女たちを描いた画家 (岩波アート・ライブラリー)
「グスタフ・クリムト―女たちを描いた画家 (岩波アート・ライブラリー)」
 [大型本]
 著者:ズザンナ パルチュ
 出版:岩波書店
 発売日:2009-09-18
グスタフ・クリムト―素描と絵画
「グスタフ・クリムト―素描と絵画」
 [大型本]
 著者:クリスティアン・M. ネベハイ
 出版:岩崎芸術社
 発売日:1999-01
posted by 裸の人 at 16:05 | Comment(0) | グスタフ・クリムト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。