アルブレヒト・アルトドルファー(Albrecht Altdorfer, 1480年頃‐1538年2月12日)は、ドナウ派を代表するドイツの画家。
ドイツ・ルネサンスの中で特に風景描写を重視し、西洋絵画史において宗教画や歴史画や物語の背景としての風景ではない、純粋な「風景画」を描いた最初期の画家として有名です。
とはいえ油彩画作品の大半は宗教画であり、この「ロトと娘たち」も旧約聖書の創世記を題材にしたものです。
アブラハムの甥にあたるロトは神がソドムとゴモラを滅ぼすことを天使から聞き、二人の娘と共に山中の洞窟に移住します。
ところがその周辺では世のしきたりによって娘たちのところに来てくれる男がいませんでした。
そこで子孫が絶えることを恐れた姉妹はロトにぶどう酒をたらふく飲ませ、父親の意識がなくなったところで次々に交わったのでした。
こうしてロトには2人の子供ができるわけですが、泥酔していたロトは娘が寝床に来たことも立ち去ったことも気づかなかったと記されています。
しかしこのアルトドルファーの「ロトと娘たち」の絵から、そういった背景を垣間見ることはできないように思います。
ロトは娘との快楽に溺れる卑しい男にしか見せませんし、娘も父親を誑かす淫らな女にしか見えないのですが、皆さんにはどう見えますでしょうか?
「Altdorfer」
[ペーパーバック]
著者:Albrecht Altdorfer, Thomas Sturge Moore
出版:BiblioBazaar
発売日:2009-07-09
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