2010年09月24日

「読書する女性」 テオドール・ルーセル

読書する女性 テオドール・ルーセル

テオドール・ルーセル(Theodore Roussel,1846〜1926)はフランスに生まれながら、その人生の大半をイギリスで過ごした画家。

「読書する女性」はルセールの1886年の作品。暗闇の中、裸になって読書をしている女性の姿が印象的です。

モデルとなっている若い女性はヘティ・ペティグリュー(Hetty Pettigrew)。1884年にルーセルと出会い、その後愛人となったヘティはルーセルの娘も産むなどその関係はとても深かったよう。その関係は1914年にルーセルが再婚するまで続きました。

ヌードを道徳的脅威とみなしていた当時のイギリスでは、日常の何気ない情景にヌードを出現させた「読書する女性」は、マネの「草上の昼食」同様に厳しい非難にあいました。

ある批評家は「画家はモデルの俗悪な外観だけを見て、無神経かつ残忍に再現しているだけである。これは芸術の劣化である」と述べています。

この絵には現代に生きる人間にとっても不気味に感じるほどの妖艶さが醸し出されています。ですから、裸体に免疫がない当時の人々が拒絶反応を示したのも、ある意味仕方のないことだったのではないでしょうか。

ちなみにこの絵では「椅子にかけられている着物」や「画面上の大きな空白への処置」など日本美術への高い関心が見られます。これはルーセルの先生でもあるホイッスラーの影響だそうです。

ヴィクトリア朝万華鏡
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 著者:高橋 裕子,高橋 達史
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 発売日:1993-11
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「ヴィクトリア朝ロンドンの下層社会 (MINERVA西洋史ライブラリー)」
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 出版:ミネルヴァ書房
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posted by 裸の人 at 15:08 | Comment(0) | テオドール・ルーセル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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