2016年10月04日

「ポリフェモス」モーリス・ドニ


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モーリス・ドニ(Maurice Denis, 1870年11月25日 - 1943年11月13日)は、フランスの画家、著述家。ナビ派の一員。

ドニは小手先の技術に走るアカデミズムを嫌い、音楽がないからと写実主義も嫌いました。

ドニにとって絵画を描くということは、神性としての美を追求することと同じだったのです。

そのためドニは絵の画面にある色彩の秩序を追求し、図形や柄とモチーフを一体化させることで、平面的な構成の美しさ・装飾性を得ようとしました。


「ポリフェモス」は1907年の作品。

ポリフェモスはギリシア神話に登場する醜い顔を持つ巨人族の一人で、デュッセウスの部下を何人も食い殺した結果、オデュッセウスの差し出すぶどう酒に酔っぱらい、一つ目を焼け杭で潰されるという伝説が残されています。

ただこのドニの作品からはそういった醜悪な顔姿や残酷な場面を感じることはありません。

其処には海水浴を楽しむ平和な日常の一場面が暖かい風景と共に描かれています。

そして、其処には優しい音楽があります。

これこそがドニの目指した調和であり、美であるように思います。




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2016年05月09日

「Little Bather」トマ・クチュール

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トマ・クチュール(トマ・クーチュール、Thomas Couture, 1815年12月21日 – 1879年3月30日)は、フランスの歴史画の画家、美術教師。
エドゥアール・マネはクチュールの教え子になります。

「Little Bather」は1849年の作品。代表作「退廃期のローマ人たち」をはじめ、クチュールが最も評価された時代になります。

この絵では10歳ほどの少女が未熟な裸体を曝しています。少女は頬を少し赤らめていますが、まだそこまで羞恥を感じていないように思われます。無垢なる少女は、まだ自らの肉体の美しさを自覚していないようでもあります。

少女の傍らには林檎と十字架が、罪と救済を暗喩するかの如く意味ありげに配置されています。

そして画面の背後に描かれた不気味な大きな葉がこの絵に何とも言えない陰影を落とし、単なる少女の裸体礼賛に留まらない深みをこの絵に与えているように思われます。

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2016年02月14日

「庭の中の裸婦」 パブロ・ピカソ

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パブロ・ピカソ(Pablo Picasso [ˈpaβlo piˈkaso], 1881年10月25日 - 1973年4月8日)は、スペインのマラガに生まれ、フランスで制作活動をした画家、素描家、彫刻家。

キュビスムの創始者として有名です。

「庭の中の裸婦」は1934年にマリー=テレーズをモデルにして描かれた作品。当時ピカソは64歳でした。

ピカソは画風を何度も変遷させたことで有名ですが、この時期は「シュルレアリスム(超現実主義)の時代」に分類されます。

「私はより本質的に似ていることを切望している、現実よりも現実に似ることで、超現実に到達するのだ」
「絵画では、すべては記号でしかない」

ピカソはこのように語ります。

実際、この作品では、裸体は極端にデフォルメされ、一目ではどの部分が、どの身体の諸機関に該当するのか理解するのは難解です。

ただ、それでもこの絵画には、柔和な女体から醸される幸福が描かれているように思います。それこそがピカソにとっての本質だったのかもしれません。

ピカソ (ニューベーシックアートシリーズ) (タッシェン・ニューベーシックアートシリーズ)
「ピカソ (ニューベーシックアートシリーズ) (タッシェン・ニューベーシックアートシリーズ)」
 [単行本(ソフトカバー)]
 著者:インゴ・F.ヴァルター
 出版:タッシェン・ジャパン
 発売日:2001-09-12
ピカソ―天才とその世紀 (「知の再発見」双書)
「ピカソ―天才とその世紀 (「知の再発見」双書)」
 [単行本]
 著者:マリ・ロール ベルナダック,ポール デュ・ブーシェ
 出版:創元社
 発売日:1993-10
アインシュタインとピカソ―二人の天才は時間と空間をどうとらえたのか
「アインシュタインとピカソ―二人の天才は時間と空間をどうとらえたのか」
 [単行本]
 著者:アーサー・I. ミラー
 出版:阪急コミュニケーションズ
 発売日:2002-11

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2016年01月15日

「レダと白鳥」 フランソワ・ブーシェ

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フランソワ・ブーシェ(François Boucher, 1703年9月29日 パリ - 1770年5月30日 パリ)は、フフランスロココ絵画を代表する画家。

「レダと白鳥」は1741年の作品。

ブーシェはこの「レダと白鳥」というテーマが好きだったようで、前年の1740年にも同じテーマで作品を描いています。
leda_swan_boucher.jpg
(性器の描写が直接的です)

「レダと白鳥」という題材は、男女間の性愛よりも女性と白鳥の性愛を描いた絵画のほうがまだしも好ましいとする、現在の考えからすると奇妙にも思える16世紀の風潮によって広まったそうです。

その結果として「レダと白鳥」はブーシェのみならず多くの画家に取り上げられました。

また、文学の世界でもアイルランドの詩人「W.B.イエィツ」によって取り上げられています。

突然の襲撃。大きな翼がはばたき、
おとめを下によろめかせる、ふとももを黒いみずかきが
愛撫する、うなじをくちばしにくわえ、
たよりない胸を自分の胸にだきよせる。

おびえしびれた指はゆるむふとももから
この羽の栄光をどうして押しのけることができるか?
白い突進にうち倒された体は
ふしぎな胸の鼓動のほかにいったい何を感じることができるか?

腰の震えが今そこに産みだす、
くずれる城壁を、燃える屋根や塔を
アガメムノンの死を。
空飛ぶけものの血にそのように
とらえられ、そのように倒されて彼女は
身につけただろうか、彼の知識を、彼の力を
くちばしが冷淡に彼女をつき放す前に?

(訳:金子光晴)

Making Up the Rococo: Francois Boucher And His Critics (Texts & Documents)
「Making Up the Rococo: Francois Boucher And His Critics (Texts & Documents)」
 [ペーパーバック]
 著者:Melissa Lee Hyde,Francois Boucher
 出版:J Paul Getty Museum Pubns
 発売日:2006-02-15
ロココの魅力―感覚のよろこびと美へのたわむれ (THE GREAT HISTORY OF ART)
「ロココの魅力―感覚のよろこびと美へのたわむれ (THE GREAT HISTORY OF ART)」
 [大型本]
 著者:中山 公男
 出版:同朋舎出版
 発売日:1997-01
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2013年10月31日

美しい日々(Les Beaux jours) 〜バルテュス

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バルテュス(Balthus, 本名バルタザール・クロソウスキー・ド・ローラBalthasar Klossowski de Rola:1908年2月29日 - 2001年2月18日)は、フランスの画家。
※本によってはバルチュスと表記することもあるようです。

「美しい日々」は1945年の作品。

まだ大人になりきらない少女が、ソファーの上で寛いでいる姿が描かれています。
ですが、少女の服ははだけ、スカートからは太腿が露わになっています。

鏡を手に持ち、自分の姿をチェックしている少女の顔は、男を挑発的しているようにも、また自分の若さを誇っているようにも見えます。が、その一方で、何の感情も浮かべていないようにも見えます。

日常を描いていると見せながら、そこには非日常が表出しています。

平板な筆使いが、その違和感を増幅しています。

見れば見るほど、不思議な気持ちになります。

バルテュスは絵を描く理由について、下記のように述べています。
「何かを制作しようというきになることは、それを作る理由を発見することでもあります。今日わたしたちは、新しい世界、すべてが機械によって作られている世界にいます。しかし実際のところ、あなたはそこにいて、何かを見、それが何であるかを理解しようとしているのです。画家であるというのはそのようなことなのです。」

いったいバルテュスはこの絵を描いた結果、何を発見したのでしょうか。

「バルテュス」
 [単行本]
 著者:阿部 良雄 (編集), 与謝野 文子 (編集)
 出版:白水社
 発売日:2001/05
「バルテュス、自身を語る」
 [単行本]
 著者:バルテュス (著), アラン・ヴィルコンドレ (著), 鳥取 絹子 (翻訳)
 出版:河出書房新社
 発売日:2011/2/18
「芸術と脳科学の対話―バルテュスとゼキによる本質的なものの探求」
 [単行本]
 著者:バルテュス (著), セミール ゼキ (著), Balthus (原著), Semir Zeki (原著), 桑田 光平 (翻訳)
 出版:青土社
 発売日:2007-05

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